イッタラ&アラビアの違いとは?
おしゃれで魅力的なデザインが素敵なイッタラ&アラビアの北欧食器。
私は2006年に公開された映画『かもめ食堂』を観てから集めています。
北欧食器がたくさん登場する映画『かもめ食堂』
かもめ食堂ではイッタラやアラビアの北欧食器がたくさん登場しているんですよ。
実は先日、こんな問い合わせをフィンランドの方からいただきました。(全文記載は控させていただきます)
イッタラティーマはアラビアのものです。アラビアがイッタラブランドとして売り出すようになりました。
要するに、イッタラ&アラビアは同じ会社で別に考えるのはおかしい…ということです。
私の記事を読んだフィンランド人の方から流暢な日本語でご指摘をいただきました…。
そして…
ただ、素敵なところばかりクローズアップするのではなくて、『イッタラ&アラビアの違い』をちゃんと知るべきだな…と思ったんです。
私、ちょっと反省しました…
今回の記事は、大好きな北欧食器『イッタラ』と『アラビア』の違いや歴史を紐解いてみました。
そこには複雑な大人の事情があったんです…
買収されたり、アラビアの一部の商品はイッタラとして売り出していたり…
調べてみたら、知らなかったことがいっぱい…。
皆さんにも、ぜひ知っていただきたいです
以下の5つの項目別に説明しますね。
- イッタラとアラビアのそれぞれの歴史
- 現在はどうなっているのか?
- デザインの違い
- サイズの違い
- 復刻版の販売
それぞれ見ていきましょう。
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イッタラ&アラビアの違い①それぞれの歴史
まずは歴史を調べてみました。
フィンランドを代表する陶磁器ブランド、イッタラとアラビアには、私たち日本人の知らない複雑な歴史があるんです。
ご存知の方もいると思いますが…
※買収されたり、※傘下になったりと、やはりビジネスですから、事情は複雑です。
- 買収とは…株式の過半数以上の買い取りにより経営権を得ること(買収されても子会社やグループ会社として存続)
- 傘下とは…大企業の下に入り支配や影響を受けること
そんな歴史を分かりやすく年表にまとめてみました。
まずはイッタラからです。
イッタラの歴史
1881年 | フィンランドのイッタラ村で小さなガラス工場として誕生 |
1917年 | A・アールストローム社が買収 |
1987年 | フィンランドのヌータヤルヴィ・ガラス工場の大株主であるバルチラ社が買収 |
1990年 | ハックマングループが買収 |
2003年 | ハックマンはイッタラに名称変更 |
2004年 | ABN AMOROキャピタルの傘下になる |
2007年 | フィスカースグループの傘下になる |
今でも90%以上のガラス製品がイッタラ村にある工場で生産されています。
我が家のイッタラガラス製品
ティーマに関しては、2005年まではアラビアが製造していたそうですよ。
もともと、イッタラはアラビアの製品ってことなんですね
私が使っているイッタラ食器の一部
次にアラビアの歴史も簡単にまとめてみました。
アラビアの歴史
1873年 | ロールストランドの子会社として創業 |
1874年 | 白磁製作開始(まっ白な食器) |
1916年 | ロールストランド社から独立 |
1945年 | ※カイ・フランク入社 |
1953年 | ティーマの原型であるキルタ発売 |
1984年 | ロールストランド社を傘下にする |
1990年 | イッタラと共にマックマングループに買収される |
2007年 | フィスカースグループの傘下になる |
2016年 | フィンランドの工場を閉鎖し、タイとルーマニアに工場移転 |
フィンランドのデザイナー。イッタラティーマとカルティオは代表作。
1945年にアラビア社にイッタラティーマやカルティオのデザイナーであるカイ・フランクが入社しているんです。
と、言うことは…
イッタラティーマもカルティオもアラビアの製品だったということです!
冒頭でお伝えした「イッタラとアラビアを別に考えるのはおかしい…」というフィンランドの方からのご指摘はごもっともなんですよね…
以上のことからも分かるように、2023年現在は、イッタラもアラビアも※フィスカースグループの傘下になっています。
本社はフィンランド・ヘルシンキ。イッタラ、アラビアの他、ヴェッジヴット、ロイヤルコペンハーゲン、ロールストランドなども傘下に保有。日本では2017年にフィスカースジャパン株式会社が設立される。
アラビアはフィンランドで製造されていないんですね。
タイとルーマニアが製造拠点となっています。
私が使っているアラビア食器の一部
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イッタラ&アラビアの違い②現在はどうなっているのか?
もともとは同じ会社のイッタラとアラビア。
2023年現在も同じグループ会社(フィスカース)で製造を続けています。
イッタラのガラス製品はフィンランドで作られていますが、オリゴやタイカなどはタイやインドネシアなどで製造されています。
私が使っているイッタラオリゴ
タイカのマグカップ
アウトレットのイッタラに買い物に行くと、イッタラの店舗にアラビアが置いてあるのは同じグループ会社だからなんですね。
複雑で分かりにくいですね…
アラビアココなどは、シンプルな形状がイッタラ ティーマにそっくりなんです。
私がご飯茶碗に使っているアラビアココ
もちろん※デザイナーさんのセンスによるものですが、ココシリーズはアラビアにしてはとてもシンプルな食器ですよね。
カティ・トゥオミネン‐ニーットゥラ、クリスティナ・リスカ(ともに女性デザイナー)
底部分のロゴには、ちゃんとアラビア(ARABIA)の文字が入ってます。
アラビアココの底のロゴ
アラビアココは2005年に発表された製品です。
2005年というと…
イッタラもアラビアもマックマングループに買収された時期ですね。
紆余曲折があり、現在の形で落ち着いているイッタラとアラビア社ですが、今後もいろいろな形で変化があることは間違えないでしょう。
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イッタラ&アラビアの違い③デザインの違い
イッタラもアラビアも同じグループ会社といえどもデザインの違いは明白と言えるのではないでしょうか。
イッタラはシンプルなデザインがメインで、あまり大胆な絵柄が描いてあるものはないように思います。
イッタラの食器
一方、アラビアのデザインは、前章でご紹介したココなどのシンプルなデザインもありますが、華やかで目を引くようなデザインが基本にあります。
アラビア食器
共通して言えることは、イッタラもアラビアも普段使いには最適な食器であり、どんな料理にも合うことです。
どんな料理にも合うイッタラとアラビアの食器
それに上品さを兼ね揃えているところも共通していますよね。
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イッタラ&アラビアの違い④サイズの違い
サイズの違いはどうなのでしょうか?
実はイッタラもアラビアもサイズ感の違いは、あまり感じません。
プレートは20㎝前後のものが多く、それぞれ一般的な使いやすいサイズの食器で構成されています。
個性的な形状もあり、アラビアのパラティッシやスンヌンタイなどは25㎝のオーバル型が販売されているんですよ。
パラティッシ オーバルプレート
スンヌンタイ オーバルプレート
家族が多く、取り分ける料理の盛り付けにはいいですよね
イッタラのティーマは21㎝や17㎝のプレートが手に取りやすいサイズですが、四角いスクエアプレートも案外使いやすいサイズです。
四角って意外と使いやすい!
スクエアプレート16㎝
スクエアプレート12㎝
イッタラもアラビアも手に取りやすいサイズで統一されていて違いはほとんどありません。
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イッタラ&アラビアの違い⑤復刻版の販売
イッタラもアラビアも復刻版は頻繁に再販されています。
私が大好きでよく使うアラビアのクロッカスやスンヌンタイも復刻版です。
私がよく使っているアラビア クロッカス
私がよく使っているアラビア スンヌンタイ
復刻版の再販率は個人的に、アラビアのほうが多いのかぁ…と感じています。
イッタラはティーマのカラーが毎年限定で販売されますが、売り切れてしまっても、なかなか再販されたり復刻されたりはしない印象です。
私が持っているティーマのライトブルーなどは2020年に廃盤カラーになっています。
イッタラ ティーマ マグカップ(ライトブルー)
ガラス製品などは生産終了の製品もありますが、復刻されている製品もあるようです。
イッタラの復刻版バード バイ トイッカ シエッポ
参照:イッタラ公式サイト
イッタラもアラビアも生産終了になったり復刻されたり…というビジネス的流れに違いはなく2社共通事項と言えるでしょう。
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イッタラ&アラビアの違い|まとめ
イッタラとアラビアの違いについてお伝えしてみました。
私はイッタラ派なの…とか、アラビアのデザインのほうが好き…など、好みは人それぞれですが、元はと言えば同じ会社の製品であることには違いありません。
今回、フィンランドの方からご意見をいただき、「イッタラ&アラビアの違い」の記事を書いてみましたが、皆さんも知らないことがあったのではないでしょうか?
購入するときって…
使ってみたいから買おう!
美しい食器に盛り付けてみたいな…
食器棚に北欧食器が並ぶといいなっ!
こんなところだと思いますが、フィンランドの方は日本人以上にイッタラやアラビアの食器に深い思い入れや愛着があるのかな…と感じました。
そんな思いを受け止めながら私たち日本人も、美しいイッタラやアラビアの北欧食器を大切に、そして日々のお料理の盛り付けに使っていけるといいですね。
ちなみに、ティーマはフィンランドではテーマと言うらしいですよ。
最後に…
ご意見してくださったフィンランドの方に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました
この記事が皆さんのお役に立てると嬉しく思います…
イッタラ食器
アラビア食器
記事に登場したイッタラとアラビアの記事